PS5が値上げしてしまった。ゲーム機がこんなに高価になるのはけしからん。PS5は廉価版を出すべきだったのだ。ソニーよ、ほんとにこれでいいのか?
- PS5が値上げ、PS5 Proは12万円
- 「8万も出したらおもろない」
- 8万円出すにはゲーム熱が必要
- PS5は一般的なゲームファンを取りこぼした
- 廉価版PS5を出すべきだった
- 「すごい」でお金を出すのはマニアだけ
- さよなら、すべてのプレイステーション
PS5が値上げ、PS5 Proは12万円
2024年8月27日、プレイステーション5が2024年9月2日に価格改定され、およそ1万5千円値上がりすることが報じらた。
さらに、2024年9月11日にプレイステーション5 Pro(PS5 PRO)が発表された。発売日は2024年11月7日で、価格は11万9980円(税込)。
「8万も出したらおもろない」
私は90年生まれ、ゲームっ子として育ってきて今もそこそこゲームを遊ぶので、PS4やSwitchは持ってる。かつてはXBOX360も所有していた。PS3より先にXBO360を買うような人間である。あの頃が一番ゲームに熱中していたなあと思う。
今はそこまでゲーム熱は無いものの、そのうちPS5は買おうと思っていたが、そこに来ての値上げ。9月11日の発表で発表されたPS5 Proは家庭用ゲーム機としては異例の10万円超え。うーん、ゲーム機としてはさすがに高すぎる。漫才コンビ金属バットの友保さんもラジオで「8万も出したらおもろくないて~」「楽しめへんて~」と意見を述べていた。
吉本興業所属の金属バットのお二人。坊主頭のほうが小林さん。小柄なほうが友保さん。
8万円出すにはゲーム熱が必要
「8万も出したらおもろない」というのは言いえて妙だなと感心してしまった。私などは、PS5には8万円出して買う価値があるか、それほどまでに遊びたいかと考えて「出せない」と考えるのだが、友保さんの言い方だと、PS5を買って遊んだとしてもコストのことを考えると素直に楽しめないということになる。PS5が提供するエンターテインメントに8万円の価値が無いというのではなく、どんなに上質な体験であろうとビデオゲームに8万円は使えないという金銭感覚を絶妙に言い表している。
そう、よっぽどゲーム熱がある人でもなければゲーム機に8万円は出さないのだ。値上げ前の6万円だって「今持ってるPS4でいいや」とか「子供にはSwitchで遊んでもらおう」という意見が多かったのだからなおさらである。PS3が発売されたときも同じような意見が多く、値下げされてから一気に普及した。多くの人にとってビデオゲームに出してもいい金額のラインは3万円前後なのだ。ビデオゲームは映像も音声も対戦環境も日々進歩しているのだが、ビデオゲームで遊ぶということは結局は「画面に向かってボタンをポチポチする行為」であり、それに8万円は出したくないのだ。
PS5は一般的なゲームファンを取りこぼした
PS3もPS4も値下げをした。その経験からPS5が値下げされるのを待っていた人は多いと思う。日本にはプレイステーションに6万円は出したくないが4万円なら出そうという人は、当たり前のことだが、プレイステーションに6万円出す人よりも多いはずだ。ところが世界情勢や円安を理由に値上げされてしまった。そういう人達は「こんなことなら値上げ前に買っておけばよかった」とは思わず「もうPS5はいいや」と思う。
PS5に4万円なら出す気がある人達を取りこぼしたのはソニーにとって大きな失敗だったのではないか。ハードは普及することが何より大切である。ハードを買ってしまえばソフトはあれもこれも試したくなる。
廉価版PS5を出すべきだった
では、どうするべきだったのか。PS5もXbox series Sのようなお求めやすい価格のバージョンも出すべきだったのだ。究極のゲーム好きであるゲーミングPC勢は、みんなお財布と相談して性能を調整して遊んでいる。それと同じことをPS5でもやれるようにすべきだった。先日のPS5 Proのプレゼンテーションでもやたらとアピールしていたが、解像度やらfpsにこだわって遊んでいる人ばかりではない。4Kモニターを持っていないけれど新しいゲームを遊びたいという人はいくらでもいるわけだが、そこで4K4K連呼されると自分とは無縁なゲーム機というふうに感じてしまう。4K解像度で遊ばなくてもゲームはおもしろいのに。
PS5を6万円で販売できていた時期に通常版PS5と並行して廉価版PS5を販売していればPS5に4万円なら出す気がある人達を取り込むことができたはずなのだ。Xboxは日本で人気が無いからどうにもならなかったが、PSブランドならば期待できる。
「すごい」でお金を出すのはマニアだけ
もっとお手軽にPS5を遊びたい(遊びたかった)といことをうだうだと書いてきたが、実際のところPS5には元の価格の6万円の価値はある。あれほどの美しい映像や安定したプレイを可能にさせる性能を持つPS5は、かつてのゲーム好きが夢想したすごいゲーム機なのだ。しかし「すごい」という理由でお金を出すのは、単にお金に余裕がある人ではなく熱いマニアなのである。
いくら高性能でも6万円で家庭用ゲーム機としてマニア向けなのだから、8万円、12万円ならもうマニアどころではなく、世間一般からしたら「ゲーム狂い」向けのハードと言ってしまっていいだろう。日本においてPS5はマニアックなハードのまま終わってしまうのだろうか。きっと終わってしまうんだろうな。
PS5の価格はまだアメリカではそれなりに手軽に手を出せる価格帯のようだが、それでもやはり「ゲーム機として高すぎる」という声をTwitterやYouTubeのコメント欄で見かける。アメリカ人にもゲーム機とはこれくらいの価格であるべきだというラインは存在し、PS5はちょっと興味があるから買ってみようと思える価格ではないようだ。
さよなら、すべてのプレイステーション
PS5を持っていないくせに言うのもなんだが、PSシリーズがこういう事態になるとは、ああもったいない。過去大きく普及したハードではマニアックなソフトが知る人ぞ知る名作としてひっそりと輝くことがあったが、ハードがマニアックになってしまってはマニアックな名作も生まれようが無いではないか。
PS6が世に出るとして、PS5より安くなることは考えにくいし、この先PS5が値下げされるとも思えない。私はおそらくもうプレイステーションは買わないだろう。値下がりすれば考えないこともないが…。さよなら、すべてのプレイステーション。初代PSからPS4までたくさんの思い出をありがとう。
しかし、ああ、ソニーよ、このままPSブランドのハードがマニアックになっちゃっていいの?