パソコンやスマホを使っていると避けては通れない「アカウント」という言葉。あなたはITに疎い人にうまいこと説明できるだろうか。

母は問う、「アカウント」とはなんぞや
母は私にパソコンやスマホのことをよく質問してくる。TwitterやGmailといったネット上の各種サービスの使い方に関する質問も多い。その都度私は「アカウントを作れば無料で使えるよ」とか「そのアカウントはAppleのじゃなくてGoogleのでしょ」と答えるのだが、たびたび母は「その『アカウント』ってなんなの?」という素朴な疑問を投げかけてくる。
母の問いに対して私は「サービスを利用するための権利、みたいな?」とか「利用者登録、的な?」とか「IDとパスワードのセット、って感じぃ?」と、わかったようなことを言ってお茶を濁してきた。ああ、「アカウント」をずばり訳した日本語があればいいのに。日本人は明治の文明開化の志を思い出すべきだ
私が母をうまく納得させられないせいで「ふ~ん、よくわかんないから、とりあえずいいや」で話が終わってしまうことが多い。私の母や父にはインターネットやコンピューターに対する恐怖心があるらしく、触らぬ神に祟り無しの感覚でITに関する行動を控えるきらいがあるように見える。私の父は過去に「スマホってすごい機械だから変なところを押したらぶっ壊れて動かなくなりそうじゃん」と、人類の科学力を高く評価しているのか馬鹿にしているのかよくわからないことを言っていた。
「アカウント」は「銀行口座」のイメージ
そんな家族と暮らす私はついに重い腰を上げた。ITに疎い人でも「アカウント」が何者なのかイメージしやすい説明ができるようにちゃんと調べよう。助けてGoogle、ChatGPT。
私は「アカウント」が元の英語で何を意味するのかを確認した。辞書を引いてみたところ、英単語「account」はもともと「計算」、「勘定」、「計算書」、「取引」、「銀行口座」といったお金にまつわる言葉であり、同時に「説明する」、「報告」、「始末書」といった何か物や事について語ったり書き記す意味を持つことがわかった。
な~るほど。それでインターネット上のサービスを使う時には「アカウント」が必要なのね。特に「銀行口座」というのがイメージしやすい。お金を預けたり引き出したり誰かに送ったりしたいという時には、そうした金銭をやり取りするサービスを提供している銀行に口座開設の申請をし自分の口座を作ってもらう。

これを現代のインターネット上のサービスに置き換える。例えば、自分が撮影した写真を他人に見せたり友人や芸能人が投稿した写真を見たりしたいという時には、そうしたことを可能にするInstagramというサービスを提供しているMeta社にアカウント作成を申請し自分のアカウントを作ってもらう、ということになる。私達はMeta社が用意してくれた「口座」に写真や動画を「入金」してInstagramというサービス上で互いに見せ合っているというイメージだ。

銀行はあなたがあなたの口座で行った預け入れ・引き出し・振り込みといったお金の取り引き情報を記録しており、あなたはその内容を自分の通帳で見ることができる。同様に、Meta社はあなたがあなたのアカウントで行った投稿・いいね・ブックマークといった情報を記録していて、あなたはその内容をInstagramのアプリで見ることができる。
あとがき
こんな感じで説明すれば年配の人にもわかりやすいのではないだろうか。というか、若い人もよくわからんで使っている人が多いと思う。私も今回調べてようやく自分なりに腑に落ちた。
それから、今回ChatGPTに漫画を描いてもらったのだが、なかなか言うことを聞いてくれなくて苦労した。私が漫画雑誌の編集者だったらChatGPTくんのことを読み切り掲載の時点でかなり冷遇していたと思う。
ちなみに、そもそもなぜ「銀行口座」を意味する「account」がIT用語として使われるようになったのか、その経緯についても知ることができた。そちらについてはこちらからどうぞ。