盛り上がってますね、2026FIFAワールドカップ 北中米大会。男子日本は1次リーグを突破しました!
目次
- 日本サッカーは強くなった(断言)
- 一応気になるFIFAランキング
- FIFAランキングの決め方って変わってるの?!
- 日本のFIFAランキングで見る算出方法の変遷
- 今のFIFAランキングはそれなりに信用できる!
日本サッカーは強くなった(断言)
今大会は初戦でヨーロッパの強豪オランダと引き分けました。試合を見た感じだとオランダは決して手を抜いていませんでしたね。その後の試合を見てもオランダと引き分けたのは日本のみ。すごい!
日本は前回のカタール大会でドイツとスペインに勝利しました。あの時は日本中が喜びももちろんですが「マジで?」という驚きも大きかったように思います。
今回のオランダとの引き分けは、あれから積みあがってきた「日本ってもしかしてけっこう強くなってるんじゃない?」という気持ちに応える「納得の引き分け」でしたね。この引き分けで日本サッカーの前進を確信したという人も多いんじゃないでしょうか。
一応気になるFIFAランキング
で、私はワールドカップ以外はサッカーを見ないようなニワカなので改めて日本のFIFAランキングを確認してみました。2026FIFAワールドカップ開幕前の日本は18位、オランダは7位です。18位にもなれば一桁の強豪国も手を抜かずに相手をしてくれるということなんでしょう。
ただ、私のサッカーにまつわる記憶をたどると「FIFAランキングは当てにならない」というのが定説です。主に「格下相手だからといって油断は禁物である」とか「ランクが近いからといって相手はヨーロッパだから勝つのは大変難しい」といったように、私のような浮かれるワールドカップ限定サポーターを戒めるべく「当てにならない」と言われてきたように記憶しております。もちろんジャイアントキリングを願う希望的観測でも目にしましたが。
FIFAランキングの決め方って変わってるの?!
じゃあなんのためのランキングなんだよ、ということでFIFAランキングの決め方を調べてみました。その結果、FIFAランキングを決めるポイント算出方法が過去に4度も変更されてきたことを知りました。しかもそのうち3度はガラッと変わっています。
なんとなく、連綿と紡がれてきたサッカーの伝統のひとつの軸、みたいなイメージをFIFAランキングに対して持っていたので、そのポイント算出方法が4度も変わっているというのは私にとって意外でした。
ポイント算出方法がどんなふうに変わってきたのか、細かい話は説明するのが難しいのでしませんが、この文章を読んでいるあなたにひとつわかってほしいのは、変えるからには問題点があったから変えたのだということです。どんな問題点があったのかは日本代表のFIFAランキングの推移を見るとわかってきます。
日本のFIFAランキングで見る算出方法の変遷
さて、こちらがサッカー日本代表男子のFIFAランキング(各年の年末時点)の推移を示した折れ線グラフです。

日本代表のランキング遷移を見ながら算出方法が大きく変わった1999年、2006年、2018年の算出方法変更について書いていきます。
1999年方式への変更(試合の重要度、相手の国、勝ち方を考慮したポイント計算を採用)
1999年に改訂されたポイント算出方法では、それまで考慮されていなかった「試合の重要度」や「対戦相手国の強さ」、「対戦相手国が所属する地域の強さ」がポイント計算式に取り入れられました。その他にも「得失点差ボーナス」や「アウェイボーナス」といった要素も考慮してポイントが算出されます。
これにより、例えば、ワールドカップ本戦でヨーロッパ・南米の自国よりランクが上の国に勝つと一気にポイントが稼げるようになりました。反対に、親善試合でアジアやアフリカの格下相手に勝ってもたいしたポイントは稼げなくなりました。
そして、ポイント算出の対象となる試合が過去8年間のものに限定され、12ヶ月ごとに8つに区切り、その12ヶ月の間でたくさんポイントを稼いだ上位7ゲームのポイントでランク付けされるようになりました。つまり過去8年間のベストゲーム56試合でランク付けするということです。ポイントは直近の12ヶ月ごとに1.0倍、7/8倍、6/8倍、……、1/8倍して扱われます。
そんな1999年方式に変わった結果、初年度の1999年に日本のランクがガクッと落ちています。1998FIFAワールドカップ フランス大会が終わったあとで、格上と試合をする機会がなかなか作れなかったことが影響しているのでしょう。
また、フランス大会以前に目を向けてみても、格上に勝利した重要な試合が少ない(であろう)ことが足を引っ張ったのではないかと思われます。(1999年方式に切り替えた段階で各国のポイントの再計算が行われたと思うのですが、確かなソースが見つかりませんでした…。)
2006年方式への変更(格下からの荒稼ぎにつながる要素を廃止、年間の平均ポイントでランクを付ける)
2006年に改訂されたポイント算出方式では「得失点差ボーナス」と「アウェイボーナス」が廃止されました。これによって「試合の重要度」、「対戦相手国の強さ」、「対戦相手国が所属する地域の強さ」が考慮されたシンプルで納得感の高いポイントが算出されるようになりました。
廃止された2つの要素の問題点は、大量の点差でアウェイの試合に勝てば得られるポイントが大きくなるところにありました。これによって相手が格下でもしっかりポイントが稼げてしまうので、日本はアジアの強豪として格下相手にポイントを稼ぐことができました。1999年から2005年まではそういう部分でちょっと得をしていたんですね。
また、ポイント算出の対象期間が過去8年間から過去4年間に変更されました。4年間を12ヶ月間ごとに区切り、12ヶ月間で行われた試合で稼いだポイントの平均値でランク付けされるように変更されました。1999年方式同様、直近の12ヶ月間ほど高く評価されます。
対象期間の短縮により、過去の遺産(例:2大会前のワールドカップ優勝、5年前の黄金世代…)がランキングに反映されにくくなったため、世代交代がうまく進んでいる国ほど上位にランクされやすくなりました。
さて、2006年方式になって日本代表に何が起きたかというと、2013年から2018年に注目してください。2012年までコツコツとランクを上げていた日本がガクッとランクを落としていますね。実はこれ、2018FIFAワールドカップ ロシア大会に向けて日本が代表強化に本腰を入れたために起きてしまったことなんです。なんだかワケがわかりませんね。
上述したように、2006年方式では12ヶ月間の平均値を用いてランクを出します。そのルールの下で日本はロシア大会に向けて強化試合(=親善試合)をたくさんマッチングしていました。これにより、勝ってもポイントがほとんど稼げない親善試合で平均値を出す際の分母の数が大きくなってしまいました。ワールドカップ地区予選の勝利等で稼いだポイントも強化試合のせいで均されてしまい、代表の頑張りや成長がFIFAランキングに反映されなかったのです。
私は今回改めて過去の日本代表FIFAランキングを見ていて「日本が50位前後をウロウロしてた時期があったんだ~」と意外に思いました。しかし、よく考えると何大会も連続でワールドカップ本戦に出場している国がそのあたりをさまよいながら、しかも結局本戦まで進んでいるという、なんともおかしな話です。
国によってはランクを上げる or 高く保つためにわざと強化試合をしなかった国もあるようです。そのせいでロシア大会直前には「弱い国じゃないけど、この国がTOP10に入るか~?」というランキングになってしまいました。こうやって制度の穴を利用されていたこの時期が最もFIFAランキングの信憑性が薄かったのかもしれません。
2018年方式への変更(年間平均ポイントを廃止し、試合ごとの増減を採用)
とまあ上述のカラクリの悪用を防ぐべく2018年の改定で年間の平均値によるランク付けを廃止し試合ごとにポイントが増減する方式に変更されました。このポイント増減はマイナス50~プラス60の幅に収まるようになっています。
この改定に合わせて、各国の持ちポイントもリセットされました。改定時点でFIFAランキング1位の国を1600ポイントとし、順位が下がるにつれ一定間隔で引かれたポイントが各国に割り振られました。61位の日本は1372ポイントでした。
この2018年方式は現在も継続して使用されています。なんで最初からこうじゃなく「年間ベスト7の試合」だの「年間の平均ポイント」だのでやっていたのか疑問ですが、世の中に最初から完璧なものは無いのです。イイんです。
今のFIFAランキングはそれなりに信用できる!
2026FIFAワールドカップ1次リーグを終えた時点で日本は1673.68ポイントで17位です。ワールドカップ開催前より1ランクアップしています。ちなみに1位のアルゼンチンは1907.40ポイントです。
上のサイトでは試合ごとのポイント増減も見られます。オランダとの引き分けでは4.37ポイントプラスですが、スウェーデンとの引き分けでは7.59ポイントマイナスです。「オランダと引き分けるなんてけっこうやるじゃん」、「でもスウェーデンに勝てないのはまずいよ」と言われているようなポイントです。格下には勝たないといかんですね。ワールドカップ初出場のカーボベルデに引き分けたスペインは18.68ポイントもマイナスされています。くわばらくわばら。
2018年方式になってからの日本の最高順位は2025年4月時点での15位です。そんなチームが、遠藤航選手や三苫選手を欠いた状態でオランダに食らいつき、そこからさらに久保建英選手を欠いた状態ではスウェーデンに勝ち切れなかった、という1次リーグの結果はなかなか信憑性があるのではないでしょうか? どうでしょうか?
ワールドカップをきっかけにFIFAランキングについて調べたことでサッカーの試合を見る目が少し変わりました。調べてよかった~。
「今後日本がFIFAランキング一桁になる日は来るのかな~?」などと楽しみにしつつ、今はとにかくサクッとシャワーを浴びて運命の一戦 日本 vs ブラジル にそなえることとします。
終